トラクターヘッドとは?特徴と役割をわかりやすく解説!
この間、道路でこんな車輌を見たんですけど、なんか足りないですよね!?忘れてきたのかな?
いえいえ、それはトラクターヘッドです!
貨物を載せたトレーラーを降ろして会社に戻る途中ですね。
運転席やエンジンを積んだ「トラクターヘッド」と、荷物を載せる「トレーラー」を合体させた大型トラックの一種なんです!
トラクターヘッド?
トレーラー?
奥深いトラクターヘッドについて、わたしが詳しく説明しましょう!
おぉ!あなたはヤドカリさんですね!
よろしくお願いします!
目次
トラクターヘッドとは?
あ!これですこれ!!
ぼくがこの間見たトラック!
これがトラクターヘッドです。トラクターヘッドは、トレーラーを牽引するための車両なんですよ。
トラクターヘッドは
セミトラクター
フルトラクター
に分類されていて、それぞれ牽引できるトレーラーが決まっています。
車両内には、運転席があって荷物の量や種類に合わせて後ろに繋ぐトレーラーを変えることができるので、色々な荷物を運ぶことができます。
そういうことだったんですね!必要に応じて、背中の貝殻を変えるヤドカリさんみたいな車両ですねぇ。
嬉しいこと言ってくれますね!
では、特別にトラクターヘッドの役割について、もっとお伝えしましょう!まずはトラクターヘッドに欠かせない相棒のこちら!
トレーラーとは?
トレーラーはトラクターヘッドに牽引される車両のことをいいます。
牽引されて走行するため、エンジンがついておらず、自走できません。
しかし、その分トレーラーにたくさんの荷物を載せることができるので、一度の輸送で荷物を効率よく目的地に届けることができます。
トレーラーの種類は主に3つ
【セミトレーラー】
セミトラクターに牽引されるトレーラーで、日本ではこのタイプが主流です。
ボディの後方に車軸があり、前方には車軸がありません。代わりに前方にはカプラーとキングピンというトラクターヘッドとトレーラーを連結する器具がついています。
(カプラーとキングピンについては後半で説明)
連結していない時は格納されている補助脚によって水平に保たれています。
【フルトレーラー】
フルトラクターで牽引するフルトレーラーは車両の前後に車軸があります。そのため、トレーラー自体がほとんどの荷重を支えます。
運転席と荷台が一体となったトラクターとトレーラーを連結した連結車両で、一度に大量の荷物を運ぶことができる便利なトラックです。
トレーラーだけを切り離すことができるので、トラクター単体を普通のトラックとして使用する事も可能です。
【ポールトレーラー】
ポールトレーラーは鋼材や電車のように分解が難しい長いものを運ぶ際に便利な車両です。
ポールトレーラーのトラクターとトレーラーは、「ステアリングドローバー」と呼ばれる牽引用の伸縮できるパイプで連結されているので、最長40mを超えるような荷物でも運搬することができます。
荷台には「ターンテーブル」があり、車両がカーブするときに積載物に負荷がかかりにくい仕組みになっています。
トラクターヘッドとトラックはどう違う!?
トラクターヘッドが牽引するトラックと、通常の大型トラックは何が違うのですか?
それではお互いの車両の特徴をみてみましょう。
トラックの場合
通常のトラックは荷物を乗せて単体で自走できます。
荷物を積んで運び、目的地に着くとドライバーが荷下ろしをする
↓ ここに少し時間がかかる…
次の荷物を積んで、別の目的地に運ぶ
たくさんの荷物の積み下ろしは時間と人手が必要になります
そんなときに活躍するのが…
トラクターヘッド&トレーラー
荷物を積んだトレーラーを牽引して目的地へ
↓
目的地でトレーラーの連結を解除
↓
荷物が積んである別のトレーラーと連結し、次の目的地へ出発!
ドライバーは荷物をおろしたり積んだりする手間がはぶけるので、効率よく荷物を運搬できます。
この特性が生かされるのがフェリー輸送!
港までトラクターヘッドがトレーラーを牽引して運び、フェリーにはトレーラーだけを切り離して載せることができます。
そうすることで、トレーラー分のフェリー代金で済むのでコストダウンにつながります!
(フェリー代金は車両全長によって決まる)
【ブレーキ機能が強化】
トラクターヘッドの運転席には、通常のトラックよりたくさんの種類のブレーキがあります。それぞれどのような特徴があるのかみてみましょう。
「フットブレーキ」
トレーラーヘッドとトレーラー両方に作動する足で踏むタイプのブレーキです。
「トレーラーブレーキ」
トレーラーだけに作動する強力なブレーキで運転席のレバーで操作します。
「排気ブレーキ」
トラクタの後輪に不動します。
「パーキングブレーキ」
トラクター部分、トレーラー部分それぞれに独立して操作できるように装備されています。
まだいくつか紹介していないものもありますが、複数のブレーキを状況に応じて使いわけることで、急ブレーキ防止やカーブを安全に曲がれるようになっているんですよ!
ちょっと特殊なトラクターヘッドの積載量
トラクターヘッドとセミトレーラーを連結した場合の積載量は、車検証の最大積載量という項目で確認します。
上記車検証で見てみると…
最大積載量「52740[18000]kg」
の記載があります。
最大積載量は52740kgですね?
そして通常のトラックにはない
[〇〇〇〇kg]
これがトラクターとセミトレーラーに大切な「第五輪荷重」になります。
第五輪荷重…トラクターヘッドとセミトレーラーを連結させる部品「カプラー」と「キングピン」にかかる最大荷重
つまり、トラクターヘッドにかかるトレーラーの重さのことなんだね。
※すべての重量がトレーラーのタイヤにかかるフルトレーラーには第五輪荷重の概念は適用されず、登録証明書にも記載されません。
トラクターヘッドとトレーラーをつなぐ「カプラー」と「キングピン」
トラクタ側には「カプラー」という部品がついています。
トレーラ側には「キングピン」という大きな鉄製のピンが頑丈に溶接されており、この2つを合体させることでトラクタとトレーラを連結します。
トラクターヘッドを運転するために必要な免許は?
トラクターヘッドのみを運転する場合
【大型免許】
車両重量11トン以上・最大積載量6.5トン以上の大型車を運転するためには大型免許が必要です。
ほとんどのトレーラーヘッドは大型車両なので、大型免許が必要となります。
トラクターヘッドでトレーラーを牽引する場合
【牽引免許】【大型免許】
「牽引免許」は、大型自動車・中型自動車・準中型自動車・普通自動車・大型特殊自動車のどれかを運転するときに、車両総重量が750kgを超える他の車両を牽引する際に必要な免許です。
トレーラーヘッドでトレーラーを牽引して運転するには、特殊な運転技術が必要になります。
牽引免許を持っていることで、トレーラーの牽引を含めた運転技術を身に着けていることを証明できますよ!
トラクターとトレーラー 牽引の決まり
ちょっと疑問に思ったんですが…トラクターはどんなトレーラーでも牽引できるんですか?
わたしたちヤドカリも宿にしている貝がなんでも良いわけではありません。それと同じでトラクターとトレーラーにもしっかりと決まりがあるんですよ!
【連結組み合わせ】
トラクターヘッドとトレーラーには連結組み合わせというものがあり、牽引登録で連結組み合わせが登録された車両のみ連結して公道を運行することができます。
まず、陸運支局に連結検討書を提出
↓
検討内容…
- トレーラー牽引に必要な出力をトラクターが有していること
- トラクターとトレーラーの連結部の強度が十分であること
- 連結後の全長・全幅・全高が法令で定める範囲内であること
- 連結時の最大安定傾斜角度や最小回転半径など
をチェックされる
↓
連結組み合わせが登録されると、トラクター、トレーラーのそれぞれの車検証の備考欄に連結できる車両が記されます。
というわけで、記載されている組み合わせ以外での連結で公道を走行することはできないんです!!
もし、走行してしまうと…?
道路交通法の違反の違法行為として処罰の対象となります!!気をつけましょう!
【車検証と車両ナンバー】
公道を走るためには、トラクターヘッド、トレーラー共に別々の車検証、ナンバー登録が必要です。
じゃあ、連結すると前後でナンバープレートが違う車両になるってことですか?
そうなんです!公道を走るためには、それぞれに車検証とナンバーが必要です。
トラクターヘッドとトレーラーが連結すると、前から見たナンバーと、後ろから見たナンバーが違う車両が生まれます!!
高い技術を求められるトラクターヘッド の運転
あんなに長ーい車両を運転できるなんて、ホント尊敬します!
トラクターヘッドの運転には、大型牽引車両特有の現象が発生することがあるんですよ。
特有の現象?なんだか怖いですね。
急ブレーキや急発進が事故の直接の原因になることもあり、特有の現象として名前がついています。
事故につながらないような高度な運転技術と特殊なブレーキの使い方が大切なんです。
・ジャックナイフ現象
・トレーラースイング現象
・プラウアウト現象
・スネーキング現象
重量があり、車両全長があるからこそ、これらの現象に注意が必要です。
安全走行することで、1人のドライバーが効率的にたくさんの荷物を運べるトラクターヘッド&トラクターってすごい車両ですね!
人手不足といわれているトラック業界にとって、トラクターヘッド&トレーラーは必要不可欠な存在なんです!
今回はトラクターヘッドの特徴とその役割について解説しました。
用途によって様々なトラクターを牽引できるトラクターヘッド。車両全長が長く、道路で見かけると迫力満点です。
ドライバーは運転に神経を使うことが多いでしょう。
道路で走っているのを見かけたときは「もう!早く曲がって!」なんて思わずそっと応援したいですね。
ラインの友達へは限定✧
『オトク🌟値下げ車両情報』『新着のお知らせ』などを配信しています🥞
友達追加お待ちしています🐾」
▸ 友達追加はコチラから